2006年、新春。
例年より寒さが厳しい今年の冬。
心から春が待ち遠しい…!

昨年の4月にふらりと出掛けたパリの公園。
休日の公園はちょうど、見事に桜が満開の時期だった。意外とパリの街中にはたくさん桜の木が立っている。はじめて見た時はなんだか不思議だったが、紅茶で有名なマリア−ジュ・フレールには桜のお茶もあるし、レンガ作りの古い建物にも桜の甘い色がなんともぴったりきている。

公園の桜をじっとながめているうちに、なぜだろう。
フランスにいることを忘れてしまうような、ほっとした感じになった。
あんなに枝いっぱい艶やかにつけた花びらも、毎年気づかないうちに深い緑に変わってる。
そしてまた、翌年の4月には優しいピンク色の花で春の訪れを告げる。大切な約束のように。
日々、いろんな出来事があり、そしてどんなことが起っても、また新しい一年のはじまりを感じさせてくれるその姿にほっとするのかもしれない。

また今年もあの桜の下に立つだろう。新たな気持ちで。



Page17(文・写真/ K. Tadano )





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