しばらくパリ出張もないので、今回は道内の森の話しを。

「ブナの木には癒しのパワーがあるのよ…」ヨガの先生の一言で、黒松内にあるブナの森へ来た。
黒松内、歌才の森は天然記念物に指定されているブナの森。
森の中は木々が生い茂っているのにもかかわらず、明るい日射しが差していた。
小さな川や沢が連なる中に、何十mにも育った沢山のブナの木がサワサワとそこにいた。
濃い緑。空に向かってまっすぐのびて、気持ち良さそうに風にそよいでいる。
ブナの幹はゾウの足に似ている。なんだか歩きだしそう。
木のまわりには鳥や蝶、苔、植物のツタが巻き付いて、
おたがいに何かしら与え、受け取っているようだった。
倒木した木の折れ口に苔がびっしり生えている。自然の生命力の強さと、ブナの与え続ける姿に感動した。

木々の隙間を歩いてるうちに、腐葉土が重なってふかふかしている気持ちの良さそうな場所を発見。
思いきって横たわってみると、懐かしい土と強い緑の香りに包まれてふわっと体が暖かくなった。
そして何かがゆるりとほぐれて、なんだか胸がいっぱいになった。

秋にはみごとな紅葉をみせるらしい。
また、10月のブナに会いに行こう。



Page24(文・写真/ K. Tadano )   





BACK


Copyright (C) FORTUNA. All Rights Reserved.