今年のはじめ、
パリの美術館ジュ・ド・ポウムで
昔から大好きだった、
Robert Frankの展覧会を見ることができた。

1950年代のアメリカでの作品、
そして、たびたび訪れていたというパリでの作品。
どちらも…そこには生活者のありのままの姿が描かれている。

芝生に寝転ぶひと。
劇場の中にふと、たたずむひと。
どちらも…振り返りそう。
どんな表情で?
息づかいが聞こえそうな作品たち。

写真集では見たことがあったけど…
本物のプリントを見るのははじめて。
少し、緊張。
憧れが目の前に並ぶ。

古き良き時代のアメリカとパリが
そこにはあった。
笑い、泣き、怒る人々…
生きることへの喜びと悲しみ、驚きが
その写真のなかにあった。

自分も知らない世代のことなのに、
そのモノクロの印画紙からなにかが伝わってきて
胸がいっぱいになった。
生きるってこういうことなんだろう。
きっと。



Page57(文・写真/ K. Tadano )   





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