2004年も最後の月を迎えた。
12月に入っても生暖かな日が続き、雪はもう降らないの?と少し心配もしてみるが、きちんと冬はやって来る。
頬がぴりりと寒さの厳しい北国の冬だからこそ、お気に入りのコートやブーツやマフラーたちが大活躍。
マイナス気温はこわいけれど、冬を密かに心待ちにしていた自分がいる。
フランスではじめて冬を迎えた時もそうだった。
秋から冬へと移り行くパリの街は淋しくなるほどロマンチックで、
こどもたちのいない公園を通り過ぎると冷たい風が吹き付けた。
けれど、お気に入りのコートを羽織って颯爽と歩くパリはとても気持ちが良かった。
「2005年はどんな年になるかしら?」とブーツの紐を結んで独り言。
そうして今日もそのコートを羽織り、私は北の冬の中へと出掛けた。
Page7(文・写真/ K. Tadano )
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