「Paris Dialy」〜パリのこと、日々の生活の様々なことを綴っていきます〜


FORTUNAも、今年の秋で15年。
こんなにパリと札幌を行ったり来たりする人生になるとは。
「なぜ、なぜ?」ヒモといてみれば…それは25年前にさかのぼるのでした。

20歳の頃ー。
就職もせず、札幌でオヨヨ通りと呼ばれていた中小路の喫茶店で働いたりしていて、
人生の目的なぞ、全く考えもしてなかった時代。
だから特別なことはないし、お金もなかったけど、毎日なんとなく楽しかった。

そんな時、高校時代からの親友が札幌のファッションビルに勤め、
仕事初日に出会ったのが、私にそっくりな女の子。
「似てるから声をかけた」という、ものすごく漠然とした動機だったみたいだけど
その狙いは、はずれてなかったらしい。
私たち3人は、すぐにすごく仲良くなった。

その声をかけられた友人は、
憧れの洋服店のスタッフで
自分にとって尊敬するセンスを感じられる女の子だった。

彼女は私たちをいろんな所に遊びに連れていってくれたり、服をくれたり、
年上の面白い人々を次々紹介してくれた。
レコード屋、カフェバー、喫茶店、アパレル関係のひと…etc。
今まで知り合ったことのない世界の人達。
「自由に生きるってこういう人たちなんだ…」と なにもかもが新鮮に写った毎日。

そんな時知り合ったのが、
ゲイの男の子のTちゃんだった。
そういう男の子と知り合うのもはじめてだったし、
オペラやバレエが大好きという、とても美意識が強い子で
私はますます新しい世界に刺激を受けた。

今考えてみると…
はじめてパリに連れてってくれたのは
その子だった。 (つづく)



Page 81 (文・写真/タダノカオル)


★Paris Diary / Back Number  *1〜80までのバックナンバーは工事中のため、後日掲載致します。(毎月15日更新)



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