「Paris Dialy」〜パリのこと、日々の生活の様々なことを綴っていきます〜


明けましておめでとうございます…!
今年も宜しくお願い致します。

2012年がとうとう始まりました。
今年初めてのSYMBIOSISの展覧会は
パリ在住の写真家、西窪愛子さんの写真展です。

西窪さんとは、2年前にギャラリーカフェエスキスのご紹介で知り合い、
今ではパリに行く度、一緒にお酒を飲む仲です。

「ずっと使っていた印画紙が廃盤になってしまったので、どうしようか迷っている」
と聞いたのは、一昨年のこと。

マットな画用紙のような印画紙にパリの風景が
印象的だった西窪さんの写真。
本当に作品の持ち味を変えなければならない瞬間だったと思います。

西窪さんはとても可愛らしい風貌の女性なのですが、
写真のことを話している時は
まるで写真のことしか考えられない不器用な男の人のようなのです。
私はそんな彼女が「いいなぁ」と思って聞いていました。

そして熟考の末、布に転写する思いつき
でも上手くプリントすることができず、
暗室で写真と格闘している日々のことを、パリに行く度に私に話してくれました。

そして今回、キャンバス地にプリントされた作品と初対面。

うっすらと浮かぶ、バカンス時期だけに現れる儚げな観覧車。
グレーの空にちょっとだけ先を覗かせた
エッフェル塔と街頭の背比べ。
キャンバス地が生み出す版画のような質感。

20代の頃、創作と向き合う為に誰も知人のいないパリに渡った西窪さん。
パリの日常を知る彼女でないと撮れないような作品たち。
住まないとわからないこと。


写真から、
そんな決心とひたむきさが作品に滲み出ている気がするのです。



Page 85 (2011.12.27 文・写真/タダノカオル)



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*69〜79までのバックナンバーは工事中のため、後日掲載致します。(毎月15日更新)



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